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R-9のおでかけ修行ハウス改善

*ニンジャスレイヤー感想ブロゴだ*

ユンコアンソロジー本を作ってみて(後編)

同人活動

つづきでーす。前編はこちらで。

epxstudio.hatenablog.com

原稿募集から編集、入稿まで

幸い、募集開始からコンスタントに反響をいただきまして、ご存じの通り最終的には30名の方にご参加いただくことができました。当初の想定では20人くらいかなあというイメージだったので、これはうれしい誤算でした。
今回は募集期間を4ヶ月くらい設けることができたので、一定の周知はできたんじゃないかなと思います。アンソロに参加する側の心理として、「描きたいけど描けるかどうか(いまの時点では)分からない」というのはありがちなことで、募集締め切り直前にダダッと参加者が増えるというのはある程度見越しておいたほうがいいかもしれません。

原稿の締め切りについても、余裕を持たせておいたことが功を奏しました。告知していた締め切りから2週間くらいオーバーしても、印刷所への入稿スケジュールに影響がないくらいのバッファを用意していました。これは精神的にも楽になるのでおすすめです。

タスク管理はExcelで簡単な表を作って、そこで一元的に管理していました。これはメンバーに共有するものではなくて、自分で忘れないようにするためのものなので、形式はなんでもいいと思います。下図がそれです。

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漫画を含む本の場合、編集の肝になるのが「ページ数」と「開始ページ」です。多くの漫画原稿は見開きの方向を考慮してコマ割りされているため、左右どちらのページで始まってどちらのページで終わるのかというのは、作品の収録順を決めるにあたっても大事な要素になります。もし原稿の入稿が遅れる場合でも、ページ数と開始ページの方向が分かるようであれば、早めに確認しておくのがいいかもしれません。

編集はチョー楽しい

理想の本を作るために、ああでもないこうでもないとデザインするわけですが、それと同時に、締め切り近くになってくると作家さんから続々と原稿が届きます。アンソロの主宰者であり編集者であるあなたは、その原稿の世界初の読者の一人になれるわけですよ!これは異常にテンション上がりますよ。TLに好きなキャラの絵が流れてきてヤッターとかの比ではないです。毎日メールが届くたびに爆発四散するような感じです。

作品の収録順を考えるのも楽しい作業です。前述の漫画の開始ページなどの制約も踏まえつつ、どの順番で読んでもらうのが一番楽しんでもらえるかと試行錯誤するのは、DJの選曲のようでもあり、パズルのようでもあり。

ユンコアンソロで不思議だったのは、はじめは全体を章立てするつもりは全然なかったのです。単純に、バーッと並んだショウケースのようにしようとぼんやり考えていました。でも、お預かりした作品を繰り返し繰り返し読むうちに、これとこれは近いんじゃないか、このあとにこれを読んでもらうとショックが大きいんじゃないか、こことここの間は空けたほうがいいんじゃないか、みたいなことを考え始め、どこかの時点で「テーマごとの全5章に分けるアイデア」が降りてきました。
それとは別に、原作のユンコ登場エピソードからの印象的なシーンの引用文をエピグラフ的に挟みたいというアイデアがあって、それと章扉を合わせてみたらガチッとハマったのです。これだっという感じでした。

夏コミに落ちた!

一方で、原稿の締め切り前にテンションの下がる出来事もあって…それが夏コミのサークル抽選漏れです。その前に参加したコミケで、ニンジャスレイヤー界隈の落選率がかなり低かった(Webカタログではそのジャンルで落ちたサークルさんも表示される)ことから、まあ今回も受かるだろうくらいの感覚でいたので、これは困った。

とはいえ、コミケに参加しないからといって、土壇場で締め切りを延期するのも作家さんのスケジュールにご迷惑をかけてしまうし、まずは本は予定通り作ろうと。そのうえで、書店委託だけ予定通り夏に始めて、本格的なイベント頒布はにんぱくのみに変更することにしました。
ありがたいことに、コミケに当選したサークルさんの方から委託しませんかというお話もいくつかいただいたのですが、今回は私のほうで責任をもって進めたいというつもりで、遠慮させていただきました。

コミケ合わせでアンソロを企画する場合は、サークルが抽選漏れになった場合についても、事前にちゃんと考えておく必要がありそうです。これはちょっと反省でしたね。

そのほか、編集で気をつけたこと

締め切り間際、原稿の修正・差し替えなどのやりとりが頻繁に発生するので、ミスのないように進めるのには気を遣いました。HDDが飛ぶなどの急なマシントラブルがあっても困るので、原稿データは常にクラウド上で管理していました(私の場合はOneDrive)。

メールは、あとでまとめて返信しようみたいなのは大抵忘れるので、確認したら極力その場でお返事するようにしました。ピーク時は常にメールを書いているみたいな状況になってしまい、なかなかデザインや編集のような制作に手が回らなくなったりするので、その意味でもスケジュールには余裕をみておいたほうがいいと思います。

あとは誤字のチェック。本当は編集を手伝ってくれる方を探してきて、作家名や作品名の誤記や目次、あとがき掲載順との齟齬がないように第三者の目で見てもらったほうがいいのでしょうが、そうでない場合はこれも自分ひとりで時間をかけて確認するしかないですね。

印刷所への入稿は、過去3回ほどお世話になったしまや出版さんにお願いしたこともあり、これ以上ないほどスムースに終わりました。

本が完成してから

さて、無事に本が完成しました。今回、ユンコアンソロは作家さんに原稿料をお支払いできないかわりに各1部の献本をお約束していたので、次にその手続き関連に着手しました。郵送希望の方へはレターパックライトで順次発送を、そうでない方には受け渡し方法を確認したりだとか。

同時に、Webサイトをリニューアルしたり、告知関連の作業を進めました。何といっても、作家さんのラインナップがユンコアンソロの最大の売りで、「あの人やあの人も参加しているんだ!」というインパクトを与えたかったので、ボリュームを重点する感じで。

それからCOMIC ZINへの委託の手続きも。イベントで買えない方のために、通販というオプションを用意しておくというのは、やっておいてよかったです。頒布開始日を指定して委託するというのは初めてだったのですが、開始日通りにWeb通販も始まったようです。ただ、ZINさんは月次の売り上げ報告がだいぶルーズで、実際何部売れたのか把握できるタイミングが相当あとになるので(実はいま10月下旬の時点でも8月の売り上げ報告メールが来ていない…)、厳密に収支を管理する場合は、そこは予め考慮に入れたほうがいいかもしれません。

うーん、そんなところでしょうか。イベントでの頒布の手順は、これはおおよそ通常の同人誌と同じなので割愛しますね。にんぱく当日のあれこれについては、既に別の記事で書きました。

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感想(フィードバック)をどう集め、届けるか

ところで、いまTwitter上で「#ユンコアンソロ 『PATCHWORK』収録作品 31夜連続紹介」というのをやっています。これは、10月18日から11月17日にかけて、毎晩ほぼ定時くらいにアンソロ収録作品を1作品ずつ詳しく紹介してみるという試みです。31作品なので、ちょうど一ヶ月。本当は、発売前に本の紹介と告知を兼ねてやろうと思っていたのですが、せっかくなら作品を読んでいただいた方の感想もタグでいただけるといいかなと考え、このタイミングになりました。昨日までに、計5作品を紹介したところです。

 アンソロジーの感想ってなかなか難しくて、ましてやそこそこページ数のある本ってどこにその作品を読んだ感動をぶつけていいのかよく分からない。ニンジャ界隈は#ウスイホン感想、あるいは#にんぱくウスイホン感想というすばらしいハッシュタグがあって、これがすごく活用されているのが良いところなわけですが、アンソロの作品となると書くほうもなかなか大変。

主宰としては、お預かりした作品はすべて超おすすめの作品であって、私自身も作家さんに感想をぜひ伝えたいというのと同時に、読者の方にいただいたフィードバックもなんらかの手段で伝えたい。レ点=サンが主催されているサークル・シマナガシアンソロジー『LIFE』さんなんかは、個別の作品用の感想フォームを用意されていて、こういう試みはいいなあと思うのです。

 できるだけポジティブなフィードバックは作者さんに届けて、新しいアンソロやそのほかの企画に繋がっていくといいと思うんですよね。

とにかく、やってみてよかった

アンソロジーの主催は、本の規模に関わらず責任は大きいし雑務は多いし、仕事や日常生活やその他と並行して進めていくという点では、大変なこともいろいろとあります。ただ、ユンコアンソロの場合はありがたいことに作家さん、そして良識あるニンジャヘッズの皆さまのおかげでトラブルらしいトラブルは一つもなく(もちろん、主宰側が気づいていない部分で行き届かない点もあったかもしれませんが…)初めてでもめちゃくちゃ円滑に進めることができました。楽しいですよ!

同人誌は何でもそうだと思いますが、やるっ!と言い出したら既成事実のようになってしまうというのが面白いところで、でいて、原稿というのはすべからく締め切りがないと完成しないものなので、思いついて、行けそうだったらやってみるというのがいいんじゃないでしょうか。とか、無責任なことを言ってみたり。

ユンコちゃんのアンソロも、まだ別の方がどなたか企画してくださるのもいいし、機会があればまた何か考えてみたいですね。